【治験】臨床開発モニター(CRA)って、激務で本当に大変なお仕事です。【CRO】

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さて、今日は臨床開発モニター(CRA)のリアルなつらさについて、記載したいと思いました。

この記事にたどり着いた方のほとんどは、おそらく、これから臨床開発モニターを目指すかどうか迷っている方が多いと思うので、そういう方向けに「臨床開発モニターになる前に、知っておくべきつらさ」をリアルに書いてみようと思います。

私自身がCROでの臨床開発モニターを経験しているので、製薬会社に勤務する場合とでは、多少異なる部分もあるかと思います。

 

それでは、早速はじめます。

 

臨床開発モニター(CRA)とは

臨床開発モニターは、新薬を開発するために行う「治験」において、実施医療機関に治験を依頼し、その治験がさまざまな法律やルールに則って適正に実施されているかを管理・確認する仕事です。

臨床開発モニターCRAと略するのは、「Clinical Research Associate」の頭文字をとっているからなんですよ。

 

ちなみに臨床開発モニターは、「製薬会社」もしくは「CRO※1と呼ばれる開発業務受託機関」に属して、あくまで製薬会社の立場から、治験を適切に行えるよう管理・サポートする役割を担います。

※1:CROとは、【開発業務受託機関】のことをいい、(Contract Research Organization)の頭文字をとっています。製薬会社が医薬品開発の為に行う、治験業務(臨床開発)を受託・代行する企業が、CROです。そのため、CROでは、様々な製薬会社の薬の開発に関わることとなります。

 

とにかく締め切りに追われる

治験には、実施期間予定被験者数というものが定められています。

例えば、アビガンの治験でいうと、実施期間は「2020/3/31~2020/6/30」、予定被験者数は「96人」です。

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そのため、実施期間内に治験が終了するように、スケジュールを組む必要があります。

 

CROの場合は、仕事を依頼された製薬会社からもお尻をたたかれることが多く、「実施医療機関と責任医師の選定」から「依頼・契約」・「被験者のエントリー状況」・「症例報告書の回収状況」に至るまで、全てを数値化され、管理されます。

とりわけ、治験を開始するまでには、やることがたくさんあるので、とにかく忙しいです。

様々な締め切りを守るために、どうしても残業が発生してしまうことが多々ありました。

アビガンの治験なんかは、実施期間が、たったの2ヵ月なので、早期終了に向けて、かなりハードなスケジュール設定になっていると推察されます。

 

外勤の多さと内勤仕事の多さ

臨床開発モニターは、様々な業務を行うために、実施医療機関へ赴く必要があります。

CROの場合は、地方にオフィスを持っていることもありますが、そうはいっても、東京や大阪から全国に出張する臨床開発モニターも断然多いです。

実施医療機関においては、責任医師をはじめとした治験スタッフ(分担医師や治験協力者)、事務的な書類に関しては、治験事務局担当者に指示を仰ぎながら、様々な業務を行います。

治験の規模にもよりますが、一人の臨床開発モニターが平均5~6施設を担当します。某ベテラン先輩は、一人で10施設以上の立ち上げに関わったりもしていました。(立ち上げ以降は、後輩に引き継いでいました。)

 

「内勤業務の多さ」について記載すると、臨床開発モニターは、とにかくたくさんの書類を作成する必要があるからです。

具体的には、以下のようなものです。

  • 治験に関する一連の書類(依頼書等)
  • モニタリング報告書

一見少なく見えてしまった方に説明ですが、一連の書類には、治験開始時には、「依頼書」「契約書」などが発生し、治験中は、変更がある度に「変更依頼書」「覚書」などの書類が随時発生します。

そして、モニタリング報告書とは、臨床開発モニターが実施医療機関を訪問する度に、毎回作成する報告書となります。

モニタリング報告書に記載すべき事項も、GCPで規定されています。

(モニターの責務)

第二十二条 モニタリングに従事する者(以下「モニター」という。)は,モニタリングの結果,実施医療機関における治験がこの省令又は治験実施計画書に従って行われていないことを確認した場合には,その旨を直ちに当該実施医療機関の治験責任医師に告げなければならない。

2 モニターは,モニタリングの実施の際,実施医療機関を訪問し,又はこれと連絡を取ったときは,そのつど次に掲げる事項を記載したモニタリング報告書を治験依頼者に提出しなければならない。

一 モニタリングを行った日時

二 モニタリングの対象となった実施医療機関

三 モニターの氏名

四 モニタリングの際に説明等を聴取した治験責任医師等の氏名

五 モニタリングの結果の概要

六 前項の規定により治験責任医師に告げた事項

七 前号に規定する事項について講じられるべき措置及び当該措置に関するモニターの所見

全てのことが、GCPで規定されていて、驚いたよ。

うん、だから新人の頃は、座学で、GCPについて、みっちり学んだよ。

 

また、臨床開発モニターが作成はしないにしろ、臨床開発モニターによる、内容の確認が必要な書類もあります。

具体的には、以下のようなものです。

  • 治験に関する一連の書類(SAE報告書等)
  • 症例報告書

 

以上のように、外勤の多さに加えて、内勤業務についても多く発生することが、臨床開発モニターの大変さにつながっていると言えます。

 

重篤な有害事象(SAE)発生時の対応

臨床開発モニターのつらいところと言って、現役の臨床開発モニターさんの中には、まず「重篤な有害事象(SAE※2)の対応」を挙げる方もたくさんいるはずです。

※2:SAEとは、【重篤な有害事象】のことをいい、(Serious Adverse Event)の頭文字をとっています。有害事象(治験薬を投与された被験者に生じたすべての好ましくない又は意図しない症状)のうち、「死亡」「死亡のおそれ」「入院又は入院期間の延長」「障害」「障害のおそれ」「上記に準じて重篤」「先天異常」に該当する場合が、SAEとなります。

要は、治験薬との因果関係に関わらずに起きた、重篤な症状のことです。

このSAEが起きたら、もう大変です!!

重篤な有害事象の内容を「直ちに」報告する必要があるからです。

「直ちに」と言われたら、「直ちに」であって、これには土日・祝日も関係ありません。休みであっても、臨床開発モニターは、まず情報の収集に当たらなくてはならなくなるのです。

 

ついやってしまったというミスが許されない

もちろん、そのミスの内容にもよるのですが、臨床開発モニターの仕事は、治験を行うにあたって、とても重要な役割を担います。

 

ここでは、一例をあげて説明したいと思います。

臨床開発モニターは、組み入れられた患者さんが、実施計画書で定められた、選択・除外基準を満たしているかどうかを確認します。

アビガンの治験を例にあげると、こんな感じです。

治験に参加可能な方

  • 年齢:20歳から74歳の方
  • 性別:不問
  • RT-PCR検査で、新型コロナ陽性となった方
  • 胸部画像での肺病変を認める方
  • 37.5度以上の発熱を認める方
  • 験薬投与開始前の妊娠検査で陰性を認める方

 

治験に参加頂けない方

  • 発熱(37.5度以上)後10日以上経過した方
  • 妊娠又は妊娠している可能性のある方
  • 重度の肝機能障害又は腎機能障害を有する方
  • 酸素吸入が必要な方

この基準に合致しない患者さんを、治験に組み入れてしまった場合は、臨床開発モニターがしっかり確認することで、基準に合致しない患者さんの組み入れを防止する必要があります。

このように臨床開発モニターは、治験において重要な役割を担うため、「うっかり気づかずにスルーしてしまった」などが許されないお仕事なのです。

 

最後に

いかがでしたでしょうか?

もしかすると、リアルなつらさに、ちょっとびっくりした方もいらっしゃるかもしれません。

ただ、「どんな仕事も簡単なものはない」なかで、臨床開発モニターという仕事には、多くのやりがいもあります。やりがいについても、また別途記事にするので、読んで頂けたら嬉しいです。

 

それでは、最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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