【治験】臨床開発モニター(CRA)の仕事【②治験実施計画書の合意・説明文書作成依頼】

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本日は、臨床開発モニターという仕事の【治験実施計画書の合意・説明文書作成依頼】について、詳細にご紹介します。

前回の記事を読んでいない方は、下記の記事もご覧頂ければと思います。

【治験】臨床開発モニター(CRA)の仕事【①実施医療機関と責任医師の選定】
コロナウイルスの治療として、「アビガンの治験」が注目されている今、治験に関わる職業についても、興味がわいた方が増えてきたのではないでしょうか? 本日は、臨...

 

それでは、早速はじめます。

 

臨床開発モニター(CRA)とは

臨床開発モニターは、新薬を開発するために行う「治験」において、実施医療機関に治験を依頼し、その治験がさまざまな法律やルールに則って適正に実施されているかを管理・確認する仕事です。

臨床開発モニターCRAと略するのは、「Clinical Research Associate」の頭文字をとっているからなんですよ。

 

ちなみに臨床開発モニターは、「製薬会社」もしくは「CRO※1と呼ばれる開発業務受託機関」に属して、あくまで製薬会社の立場から、治験を適切に行えるよう管理・サポートする役割を担います。

※1:CROとは、【開発業務受託機関】のことをいい、(Contract Research Organization)の頭文字をとっています。製薬会社が医薬品開発の為に行う、治験業務(臨床開発)を受託・代行する企業が、CROです。そのため、CROでは、様々な製薬会社の薬の開発に関わることとなります。

 

治験実施計画書の合意

前回の記事でご紹介した、「実施医療機関と責任医師の選定」が終了したら、続いて行うのが、責任医師との【治験実施計画書※2の合意】です。
※2:治験実施計画書とは、治験を実施にするにあたって、治験実施者(治験を実施する医療機関)及び治験依頼者(製薬会社)が遵守しなければならない、その治験に関する要件事項を全て網羅した計画書です。英語のProtocolという表記から、実際の現場でも「プロトコル」と呼ぶことが多いです。

 

この治験実施計画書に、どのような項目が記載されていなければならないのかも、GCPでちゃんと規定されています。

(治験実施計画書)

第七条 治験の依頼をしようとする者は,次に掲げる事項を記載した治験実施計画書を作成しなければならない。

一 治験の依頼をしようとする者の氏名(法人にあっては,その名称。以下この号及び次号,第十三条第二号及び第三号並びに第十六条第一項第二号において同じ。)及び住所(法人にあっては,その主たる事務所の所在地。以下この号及び次号,第十三条第二号及び第三号並びに第十六条第一項第二号において同じ。)(当該者が本邦内に住所を有しない場合にあっては,その氏名及び住所地の国名並びに第十五条に規定する治験国内管理人の氏名及び住所。第十三条第二号において同じ。)

二 治験に係る業務の一部を委託する場合にあっては,当該業務を受託した者(以下「受託者」という。)の氏名,住所及び当該委託した業務の範囲

三 実施医療機関の名称及び所在地

四 治験責任医師となるべき者の氏名及び職名

五 治験の目的

六 被験薬の概要

七 治験の方法

八 被験者の選定に関する事項

九 原資料の閲覧に関する事項

十 記録(データを含む。)の保存に関する事項

十一 第十八条の規定により治験調整医師に委嘱した場合にあっては,その氏名及び職名

十二 第十八条の規定により治験調整委員会に委嘱した場合にあっては,これを構成する医師又は歯科医師の氏名及び職名

十三 第十九条に規定する効果安全性評価委員会を設置したときは,その旨

つまり、治験実施計画書には、今回行う治験に関する詳細な情報が記載されています。

  • 治験の目的
  • 薬の概要
  • 治験の方法
  • 被験者の選定に関する事項

など、とても重要な情報が記載されています。

 

上記の治験実施計画書の内容で行うことに、責任医師の了解を得ることが、いわゆる「治験実施計画書の合意」です。

臨床開発モニターの役割としては、治験実施計画書の内容をしっかりと頭に入れたうえで、責任医師へ説明する必要があります。

依頼者(製薬会社)が作成した、治験実施計画書の内容に問題なく、そのままの内容で合意となる場合もあれば、責任医師より固有の手順が追加され、医療機関独自の治験実施計画書を作成する場合もありますよ。

 

同意説明文書の作成依頼

続いて行うのが、責任医師への【同意説明文書※3の作成依頼】です。
※3:同意説明文書とは、治験に参加いただく患者さんに対して用いる、治験に関して説明した文書と、同意する際に使用する同意書を一体化した文書のことです。

 

この説明文書に、どのような項目が記載されていなければならないのかも、GCPでちゃんと規定されています。

(説明文書)

第五十一条 治験責任医師等は,前条第一項の説明を行うときは,次に掲げる事項を記載した説明文書を交付しなければならない。

一 当該治験が試験を目的とするものである旨

二 治験の目的

三 治験責任医師の氏名,職名及び連絡先

四 治験の方法

五 予測される治験薬の効果及び予測される被験者に対する不利益

六 他の治療方法に関する事項

七 治験に参加する期間

八 治験の参加を何時でも取りやめることができる旨

九 治験に参加しないこと,又は参加を取りやめることにより被験者が不利益な取扱いを受けない旨

十 被験者の秘密が保全されることを条件に,モニター,監査担当者及び治験審査委員会が原資料を閲覧できる旨

十一 被験者に係る秘密が保全される旨

十二 健康被害が発生した場合における実施医療機関の連絡先

十三 健康被害が発生した場合に必要な治療が行われる旨

十四 健康被害の補償に関する事項

十五 当該治験に係る必要な事項

説明文書は、患者さんに対して、治験を説明するための文書なので、とても分かりやすい表現で記載される必要があります。

 

GCPにも規定されているように、この同意説明文書を作成する責務は「責任医師」にありますが、たいていの場合は、「同意説明文書の案」が治験依頼者(製薬会社)にて準備してあり、その案を元にして、責任医師に同意説明文書を作成頂くパターンが多いです。

また、実施医療機関によっては、独自の同意説明文書の様式を準備している場合もありますので、その場合は、依頼者(製薬会社)案の同意説明文書を、実施医療機関様式へ変更することになります。

 

おまけ①:説明文書の例

前回に引き続いて、自治医科大学附属病院を例に、実際の説明文書をみてみましょう。

自治医科大学附属病院の説明文書は、こちら

もし、更新などされていて、うまく表示されない場合は、以下にてご確認頂けます。

自治医科大学附属病院
自治医科大学附属病院は、建学の精神である「医療の谷間に灯をともす」総合医的精神を尊ぶ伝統を大切にし、北関東地域における高度医療機能の病院として、日進月歩する専門医療の充実に努めています。

自治医科大学附属病院では、説明文書の作成例に加えて、「説明文書の作成に関する手順書」もあるので、こちらにも目を通しておきましょう。

 

最後に

いかがでしたでしょうか?

まだ治験がはじまっていない段階にも関わらず、臨床開発モニターには、ここまででも相当な仕事があります。

今回の記事で、臨床開発モニターの具体的な仕事のイメージがつかめたようでしたら、とても嬉しいです。

 

それでは、最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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