【治験】臨床開発モニター(CRA)の仕事【①実施医療機関と責任医師の選定】

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コロナウイルスの治療として、「アビガンの治験」が注目されている今、治験に関わる職業についても、興味がわいた方が増えてきたのではないでしょうか?

本日は、臨床開発モニターという仕事について、詳細にご紹介します。

それでは、早速はじめます。

 

臨床開発モニター(CRA)とは

臨床開発モニターは、新薬を開発するために行う「治験」において、実施医療機関に治験を依頼し、その治験がさまざまな法律やルールに則って適正に実施されているかを管理・確認する仕事です。

臨床開発モニターCRAと略するのは、「Clinical Research Associate」の頭文字をとっているからなんですよ。

 

ちなみに臨床開発モニターは、「製薬会社」もしくは「CRO※1と呼ばれる開発業務受託機関」に属して、あくまで製薬会社の立場から、治験を適切に行えるよう管理・サポートする役割を担います。

※1:CROとは、【開発業務受託機関】のことをいい、(Contract Research Organization)の頭文字をとっています。製薬会社が医薬品開発の為に行う、治験業務(臨床開発)を受託・代行する企業が、CROです。そのため、CROでは、様々な製薬会社の薬の開発に関わることとなります。

 

実施医療機関と責任医師の選定

治験を開始するにあたって、最初にする業務をズバリいうと、「実施医療機関と責任医師の選定」です。
なぜ、「実施医療機関と責任医師の選定」をしなければないのかというと、それはGCP※2という法律に定められているからです。
※2:GCPとは、【医薬品の臨床試験に関する基準】のことをいい、(Good Clinical Practice)の頭文字をとっています。国際的に合意された臨床試験の実施に関する基準をもとにして定められた、日本において、正しく治験を行ううえで、守るべきルールが記載された省令(法律を補う規則)が、GCPです。

※GCPの全文がみてみたい方は、こちら

 

それでは、GCP上で、どのように「実施医療機関と責任医師の選定」が定められているのかを、具体的にみていきましょう。

(医療機関等の選定)

第六条 治験の依頼をしようとする者は,第三十五条に掲げる要件を満たしている実施医療機関及び第四十二条に掲げる要件を満たしている治験責任医師を選定しなければならない。

つまり、治験を行う「実施医療機関」及び治験を行う「責任医師」にも要件が求められており、その要件を満たした「実施医療機関」と「責任医師」を選定しなければなりません。

 

それでは、「実施医療機関」と「責任医師」の具体的な要件もみていきましょう。

「実施医療機関」の要件は第35条に、「責任医師」の要件は第42条に、それぞれ記載されています。

(実施医療機関の要件)

第三十五条 実施医療機関は,次に掲げる要件を満たしていなければならない。

一 十分な臨床観察及び試験検査を行う設備及び人員を有していること。

二 緊急時に被験者に対して必要な措置を講ずることができること。

三 治験審査委員会が設置されていること(第二十七条ただし書の場合を除く。)。

四 治験責任医師等,薬剤師,看護婦その他治験を適正かつ円滑に行うために必要な職員が十分に確保されていること。

実施医療機関の場合は、

  • 適切な設備があるか
  • 緊急時に対応可能か
  • 治験審査委員会の対応は問題ないか
  • 関連する職員は十分か

などですね。

 

(治験責任医師の要件)

第四十二条 治験責任医師は,次に掲げる要件を満たしていなければならない。

一 治験を適正に行うことができる十分な教育及び訓練を受け,かつ,十分な臨床経験を有すること。

二 治験実施計画書,治験薬概要書及び第十六条第七項に規定する文書に記載されている治験薬の適切な使用方法に精通していること。

三 治験を行うのに必要な時間的余裕を有すること。

責任医師の場合は、

  • 治験を行ううえでの知識や臨床経験があるか
  • 治験実施計画書等に精通しているか
  • 治験を行う時間はあるか

などです。

 

「具体的な臨床開発モニターの業務は?」というと、上記の要件が、個々の治験毎に、より詳細なチェックリストになっていることが多いので、実施しようとする施設に赴き、それぞれの要件を確認することになります。

また、要件を確認するにあたっては、施設のSOP※3を確認したり、責任医師の履歴書を入手したりします。

※3:SOPとは、【標準業務手順書】のことをいい、(Standard Operating Procedures)の頭文字をとっています。治験にかかる業務を適切に遂行できるよう、その手順について体系的にまとめた手順書が、SOPです。

 

以上を確認しながら、GCPで求められる、すべての要件を満たした医療機関と責任医師を選定することが、治験開始前の最初の業務になります。

 

おまけ①:医療機関のSOP例

それでは、自治医科大学附属病院を例に、実際のSOPをみてみましょう。

自治医科大学附属病院のSOPは、こちら

もし、更新などされていて、うまく表示されない場合は、以下にてご確認頂けます。

自治医科大学附属病院
自治医科大学附属病院は、建学の精神である「医療の谷間に灯をともす」総合医的精神を尊ぶ伝統を大切にし、北関東地域における高度医療機能の病院として、日進月歩する専門医療の充実に努めています。

SOPには、

  • 治験審査委員会に関する事項
  • 治験の申請~終了までの手順
  • 治験薬の管理に関する事項

などが、詳細に規定されています。

 

 

おまけ②:責任医師の履歴書の例

こちらも、自治医科大学附属病院を例に、実際の履歴書の様式をみてみましょう。

自治医科大学附属病院の履歴書の様式は、こちら

もし、更新などされていて、うまく表示されない場合は、以下にてご確認頂けます。

自治医科大学附属病院
自治医科大学附属病院は、建学の精神である「医療の谷間に灯をともす」総合医的精神を尊ぶ伝統を大切にし、北関東地域における高度医療機能の病院として、日進月歩する専門医療の充実に努めています。

履歴書には、

  • 所属
  • 認定医の資格
  • 勤務歴
  • 専門分野

などの項目があります。

 

最後に

いかがでしたでしょうか?

治験開始前だけでも、これだけのことを行う必要があることに驚かれるかもしれませんが、やはり、「治験は研究的な要素をともなう」ことから、GCPによって、厳密に定められたルールに則り行われる必要があるためです。

 

それでは、最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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